今週見たアニメの話。

今週見たアニメについてできるだけ本気でお話したいブログ。

銀河英雄伝説(石黒監督版)1~20話

今日はカレーを作る予定だったのに、カレールウを買い忘れました。

キルヒアイス、俺はカレールウを手に入れることができると思うか?

 

 

 

銀河英雄伝説とは?

銀河英雄伝説は言わずと知れた名作です。

人類が宇宙に進出し、銀河帝国自由惑星同盟が150年の長きにわたり戦争を繰り返していた時代のお話です。

 

主人公は2人。

銀河帝国の若き英雄、ラインハルト・フォン・ローエングラムと、

自由惑星同盟ヤン・ウェンリー

 

この二人の英雄の活躍を軸とした、スペースオペラ

 

原作は小説ですが、アニメ、マンガ、オーディオブックなど様々なメディアで展開されています。

2012年には宝塚歌劇団でも上演されたことがあるんですね、へえ。

 

昨年には銀河英雄伝説 Die Neue Theseも放送され、現在は続編の映画をやっています。

宮野、鈴村という魅惑のキャストたちにも関わらず、今回石黒監督版に手を出したのは、単に映画公開など待たずに全部見たかったからなんです。

英雄伝説なんてキャンペーンまでやりやがって。上野にも銀座にも行きたかったよ!!

 

前説はさておき。

銀河英雄伝説は主人公2人が実に魅力的です。

 

個人的にはどちらかというとヤン派なのですが、今回はラインハルトメインで少し話してみようかと思います。

 

ラインハルトの持つカリスマ性と少年性

 

ラインハルトが魅力的だと思う一番の要因は彼の持つ気質です。

 

数話見て彼は実に「気高い」という言葉が似合う男だなと感じました。

4話で転校初日に同級生に足をかけられた際に、「どいてくれないか、君」と一言。

そしてどかないと分かるや、強烈な張り手をかましました。いいぞ!ラインハルト!!

 

この一幕がラインハルトの本質を表しているように感じますし、なにより私はこのシーンが結構好きだったりします。

ラインハルトの本質、言葉にするのがすごくむずかしいのですが、何者も自分を傷つけるに値しないと思っているところが、彼にはあるように思います。

 

ただ、「どいてくれないか、君」の次の手段がビンタっていうキャラ、昨今中々お目にかかれないので、このシーンを見てラインハルトが好きになりました。

 

よくも悪くもお坊ちゃんで、世界の理不尽を知らないし、理不尽なんてありえないという思想が彼の根っこにあるんだろうと考えています。

 

それは姉・アンネローゼがラインハルトの世界を優しく包み込んでいたおかげでもあります。

敢えて悪い言葉で言うと、ママに大事にだーーいじに育てられた自己中心的なお坊ちゃまなんですよね、ラインハルトって。

でもキルヒアイスとか自分の懐に入れた人間を大事にするからかっこいいんだよな。

 

ところで、宝塚版銀英伝では、ラインハルトとヒルデガルドの恋が描かれたようですけど(というのも、トップがラインハルト、娘役トップがヒルデガルドだったからきっとそうなんだろうという妄想ですが)、

個人的には本当のヒロインってアンネローゼだと思うんです。一番守られているお姫様ポジションじゃないか。

 

話をラインハルトに戻して。姉離れがどうしてもできないところや、自分の邪魔をするものは誰かれ構わず踏みつけていくところなんか見てると、ラインハルトもまだまだ子どもなんですよね。

 

そういう彼の少年性に堀川さんという声優さんはピタリと当てはまってて、石黒版のキャスティングにはただただ感心するばかりです。

 

じゃあ、宮野さんがどうかっていうと、彼はどちらかというと、ラインハルトの持つカリスマ性を表現するのにぴったりな声優さんだと思います。

デスノートの月もそうでしたが、カリスマ性のあるキャラと宮野さんって相性いい気がします。

 

柔のヤン・ウェンリー

若さ、カリスマ性、という力押しのラインハルトと対照的なのが、もう一人の主人公ヤンです。

彼は面白いほどに一部の上司以外には嫌われている男です。

ただ、彼のことを好きな上司たちは、彼が負担だと感じてしまうほどに期待をかけてくれる。ほんとに評価が両極端。

 

お世辞にもやる気満々とは言い難いのに出世ばかりされちゃあ、出世欲満々のフォークさんもたまったもんじゃないっていうのは理解する。

本筋からはそれますが、幼い万能感と欲にまみれたフォークも決して嫌いじゃないです。ただ、友達にはなりたくねーなって。

 

エル・ファシルの英雄だなんだと呼ばれてますが、ヤンの行動っていつも目の前にある命をできるだけ多く救うところにあるような気がします。

 

ただ、ヤンほどの頭脳があれば、エル・ファシルでもアスターテでも自分だけが助かる方法なんていくらでも考えられただろうし、そのほうが楽だったはず。

ラインハルトと違い、彼がなぜ命を救おうとするのか、という部分が20話まででは見えてきません。

 

彼はどうやら慈善活動家でもないようですから、なにかしらの強烈な経験がないと顔も知らない誰かさえも救おうという気は起らないでしょう。

 

そればかりが気になって朝食・夕食のお供に銀河英雄伝説を見まくる一週間を過ごしました。

 

まあ、私がヤン派なのは単にアッテンボローが好きだからなんですけどね。

ちょっとお調子者というか、嵐を望むいけないところはありますが、ジェシカの身に危険が迫ったときには駆けつけてくれる義理堅い感じがとても好きです。

これからもどんどん活躍してくれよ。

 

20話までの銀河英雄伝説

捕虜開放くらいまでは、ラインハルト側のラスボスが皇帝(ブラウンシュバイク公)で、ヤン側のラスボスがトリニューニヒトだと思ってたんですよ。

 

この二人を倒しちゃえば和平の道が開かれたりするのかなって。

 

ことはそう単純ではなかったみたいです。

 

皇帝はあっさりお亡くなりになったし、

トリニューニヒトはどっかいっちゃったし。

 

それぞれが内乱に発展して、お互いの戦争どころじゃなくなりました。

 

で、あるとするならば、この物語はどこに向かうのか分からなくもなってきましたね。

 

物語の基本構造は主人公が自分の力で運命を切り開き、自分の願いを叶えるところにあると思っています。

それはドラゴンボールのように努力と友情のもとに勝利を得るという明るいものだったり、

ロミオとジュリエットのように死して永遠の愛を手に入れるという悲しいものだったりもしますが。

 

さて、ラインハルトの願いは皇帝になること(あるいは皇帝と同程度の権力を手に入れること)

そしてヤンの願いはしばしの平和を享受すること。

 

ラインハルトの願いはこの内戦終結後にでも叶いそうですが、戦争からの内乱に発展しまった自由惑星同盟は平和からは遠のいたように感じます。

 

こうなってしまえば、実はヤンの本当の願いは平和ではないのかも、という邪推さえ生まれてしまいます。

 

これから二人の願いはどのように成就されるのか、

そしてみんな大好きキルヒアイスはアンネローゼと結ばれるのか。

 

わくわくしながら、とりあえずカレールウを買いに行ってきます。